創業物語~ツタエル夜明け前~

dawn

 

 

 

 

 

「これは使える!」

 

 私が松下電工(現・パナソニック)勤務時代、立ち会いのつもりでたまたま参加したセミナーでのこと。

それまで16年近く工務店、建築業界向けに受注アップの勉強会を重ねながら、自身のファンを増やして受注アップを上げていくというスタイルで営業活動を重ねてきました。
社内の誰よりも、工務店のためのエンドユーザーの集客には自信を持っており、20代中盤のころから「いつかは独立しよう。」との想いと相まって、会社を辞めて自分でリフォーム業をやってみようと独立の意志を固めていた頃、辞表を提出する直前の時期。2005年秋のことでした。
得意先工務店向けの勉強会でいろいろな講師の話を聴き、休みの日には独立準備のために様々なセミナー、講習で自分磨きをしていたつもりでした。
が、本当に1人裸一貫で独立したとき、「絶対いける!大丈夫。」の確固たる自信には今一つ自分に足りないものを感じていました。

 

 

そんな時、偶然聴いたのが冒頭のセミナー。
当時、弊社大西が工務店営業から独立して主宰していた工務店向けの勉強会のセミナーでした。
会社規模に関係なく実践できる内容だし、何より1つ1つが具体的。
その頃普及してきたネットをうまく使っていることも新鮮で魅力でした。
独立後のことを考え、もっと内容を知りたいと思い、セミナー終了後、つつましやかに催されていた懇親会に急遽参加したのでした。
これが弊社、岡田と大西の偶然の出会いでした。

 

その後、私・岡田は2006年春に退職。念願の独立を果たしました。
当初半年は今のツタエルの仕事ではなく、住宅リフォーム業をしていました。
次々に紹介で受注ができていたものの、やってみてこの仕事の大変さもわかり、自分の能力ではお客様に大した役立ちができないことやそのため利益をいただく資格がないのでは・・・?と思うようになり自信もしぼみ、営業活動もしないままでいました。

 

預金通帳の残高も徐々に減り、「この先どうしよう・・・」と思っているとき、思いがけない方から思いがけない内容の電話をいただきました。

 

20代のころ、前職の営業得意先でお世話になった篠原工務店の篠原会長からのお電話でした。
「おめぇーよ、ウチのホームページ作ってくんねぇかぁ? 来週、テレビに出るんだけど、ウチのホームページがカッコ悪いと知り合いに言われてよぅ。1週間もありゃ、できるだろ。」
転勤もあって、10年以上ご無沙汰していましたが、独特の茨城弁の元気な懐かしい声。
会社を退職する際に、過去お世話になった方に手紙を送らせていただいていたのですが、そこに「将来、集客のお手伝いの仕事、ホームページ制作もやってみたい。」と書いていました。私自身がこのことをほとんど忘れていましたが、篠原会長は覚えてくださっていたようでした。

 

当時、リフォームの仕事にも自信を無くし、お金にも不安を感じていたので、副業のアルバイトのつもりでありがたく受けさせていただくことにしました。
やったことのない初めての経験の仕事でしたが、前に知り合った大西との交流が続いていたので、「期待にお応えできる!」という気持ちがあったのです。

 

その後、1週間ではとても完成はできませんでしたが、打合せを重ね数ヶ月をかけてホームページが完成。同時に小冊子の制作、定期情報誌の発行のコンサルの仕事も依頼いただきました。
この時、実績もなく、海のものとも山のものともわからないものに大金をかけて信頼して仕事を任せていただいた篠原会長の存在がなければ、その後ツタエルは誕生していなかったかもしれません。
本来、自分のリフォームの仕事でやってみようと思っていた集客活動の方法を一通り篠原工務店さんで実行いただき、集客アップの効果があることも確認できました。
20代のころ、「いつか独立をしよう。」と思うきっかけになった篠原工務店さんが、今の仕事の第1号のクライアントになっていだだけたことは不思議なご縁を感じます。感謝しても感謝しきれない恩人です。

 

それでも、ホームページ制作や集客に関する仕事は、たまたまのアルバイトのようにしか思っていませんでした。

 

その後、自分のリフォームの集客のこともあり、大西が主宰する1泊2日のセミナーに手伝いとして参加しました。
約10社のビルダーさん、工務店さんが参加されていました。
自分の半生の小冊子の原稿を作るセミナーで全国から集まってきた参加者の皆さんは熱心に受講されていました。
が、課題が完成できないのです。ほかの参加者も私も。

 

セミナー終了後、後日大西がフォローしても、完成できる参加者はいなかったそうです。
なぜ?
お金をかけて、時間もかけて完成させるつもりで参加したセミナーなのになぜ完成できない?
私自身も完成させるつもりでしたが、できません。
どうして?

 

この時、気付いたのは、
「人は自分で自分のことがわからない。」

 

自分のことがわからなければ、当然自分のことを伝えることはさらに難しいことです。

 

この頃、
篠原工務店さんのホームページをご覧になった方からホームページやパンフレットの相談を求められることがあり、アドバイスをさせていただくことがありました。
でも、広告業者やホームページ制作業者が言うとおりに作れない、それ以前に理解できないことを何度か目の当たりにしました。

これらのこともあり、一生懸命お客様のために仕事をしている方がその一生懸命やっている価値をちゃんと伝えたい、というニーズがあることを実感し、その仕事であれば自分が本気で取り組めると思い、2007年6月に大西とともに「ツタエル」を興し、それから今に至ります。

 

今、ツタエルで仕事ができること、ここに至るまでの数々の偶然の出会いに感謝しつつ、今後また新たに出会う皆さまにお役立ちを提供していければ嬉しく思います。

 株式会社ツタエル
代表取締役
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